国吉美香、福井万穂
沖縄の米海兵隊が、発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む水を普天間飛行場(宜野湾市)から下水に放出した問題で、防衛、環境両省の担当課長が2日、宜野湾市役所で松川正則市長と面会し、市民に心配を与えたとして謝罪した。放出をめぐる基準がない中、米軍は安全性を強調するが、政府としても安全とは言えない、と説明した。
出先機関とのやりとりでは詳細わからず
市によると、防衛省や外務省の沖縄にある出先機関とのやりとりでは、米軍の放出の詳しい経緯がわからず、本省に説明を求めていた。基地被害に絡み、本省の担当者が沖縄に来て説明するのは異例。
面会は冒頭のみ公開された。防衛省の池田真人・環境政策課長は「心配を与え非常に深くおわび申し上げる。我々としても突然の放出は極めて遺憾」と述べた。今後は「米側に更なる放流を行わないように働きかけ、PFOS等含む水の処理について適切な処理がなされるよう日米間でしっかりと協議する」と説明した。
終了後、松川市長は報道陣に「政府も(我々と)同じように(放出の)情報がなかったこと、安全だとは政府としては言えないことが確認できた」と話した。
PFOSは広く泡消火剤などに使われていたが、人体などに長く残る性質が明らかになり、2009年、国連のストックホルム条約会議で製造などを制限された。日本では2010年に製造などが原則禁止された。水道水や河川の水質管理に限って、PFOSなどの含有量を1リットルあたり50ナノグラム以下とする目安(暫定目標値)が20年になって設けられた。
米側は今回、基地内にあるP…
この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
残り:1312文字/全文:1994文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル